瞑想には数えきれないほどの種類がありますが、
大きく分けると二つ。
「サマタ瞑想」と「ヴィパッサナー瞑想」に分かれます。
この二つは『止観瞑想』と言われ
サマタ瞑想=止、に対し
ヴィパッサナー瞑想=観
見た目は全く変わりません。ただどこへ意識を向けているか、の違いです。
サマタ瞑想
サマタ瞑想は「集中の瞑想」とも言われています。
何か対象となる一点に意識を集中する瞑想法で、
以前行った『トラタカ瞑想』
以前行った『呼吸瞑想(アナパナサティ)』。
他にもマントラを唱えたり、
お経へ集中するというのも、サマタ瞑想になります。(focused attention)
例えば「呼吸瞑想」は鼻先に集中して、空気の出入りだけに気づいていきます。
そして途中で考え事が浮かんでも、また意識を呼吸へ戻す。ということを切れ目なく続けていきます。
心の落ち着きや集中力アップに繋がると言われているもので、お釈迦様もまずこの瞑想法から始めた、と言われています。
でも私たちの生活の中で、
なにか心が揺さぶられるようなことがあった時に、いつも目を閉じて一点に集中していられるわけではありません。
毎日仕事が(家でも会社でも)あり、人とのコミュニケーションがあり、テレビやスマホからは溢れるほどの情報が入ってきます。
一切遮断して生活出来れば心は穏やかになるのかもしれませんが、まあ………無理です(笑)。
ヴィパッサナー瞑想
そこで次にお釈迦様が必要だと考えたのが、
「ヴィパッサナー瞑想」と言われてます。
ヴィパッサナー瞑想は「観瞑想」。
英語だと「open monitoring」と呼ばれます。
自分の感覚、感情、マインドの動きを観察していく瞑想法で、自分の思考の癖や思い込みや偏見に気づき、自分の選択肢を広げていくためのもの。
「注意をパノラマ的に広げていくもの」と説明されることもあるそうです。
※私は実は、あまりヴィパッサナー瞑想得意ではありません。意識が飛び回りすぎてしまうので、結局いつもアナパナサティへ戻ります笑。
ちなみにgoogle社やメルカリでも行われているという「マインドフルネス瞑想」はヴィパッサナー瞑想のこと。
「苦からの解放」を目的としているヴィパッサナー瞑想に対し、
ストレスとどう向き合うか、どう付合っていくか、という現代社会よりの問題の軽減を目的としています。
マインドフルネス瞑想の目的の一つとして、
身の回りで起こる出来事に対して反応せず、平静を保ち、自分の視野を広げる。
というものがあります。
自分の嫌な気持ちや痛いところ、
見たくないことから目を背け、無意識下で無視することが癖になっていると、
自分の選ぶ道を減らしてしまう。
自分の経験、偏見、思い込みから判断してしまう。
もちろん経験は私達を助けてくれるものです。
ただそれによって自分の意図しないところで、
目の前で起きていることをダイレクトに見ることができていないかもしれません。
自分のフィルター、色眼鏡を通して周りを見て、
狭い選択肢の中で行動しているかもしれません。
瞑想の練習を繰り返し、
日常生活でもネガティブな感情と距離を作り、
広い視野の中から選択し行動できるようにする。
マインドフルネス瞑想の目的とするところです。
How to meditate
【arriving】(座につく)
座り姿勢をとります。
椅子の上でももちろんOK。
骨盤を立て、背骨をスーッと天井へ伸ばし、
頑張りすぎない、程々の緊張感。
緩みすぎず、でも力みすぎず。
両手は膝や腿の上へ優しく乗せます。
伝統的には手のひらを上へ向けて、ムドラを組んだりしますが、手のひらが下でも大丈夫◎。
【centering】内側へ意識を向ける
呼吸は鼻からでも口からでもOK。
ヨガを日常的にしている方は、自然と鼻呼吸になるかもしれませんが、苦しければ口呼吸でも大丈夫です。
大切なのは「自然な呼吸」。
目は軽く閉じるか、半眼(鼻先を見つめた状態)にします。
1度ゆっくりと深呼吸をして。
そして自然な呼吸を観察します。
鼻先に集中して(タッチングポイント)空気の出入りを感じます。
「今、息が出ていった」「今、呼吸が入ってきた」ただそれだけを見つめます。
途中で違うことが頭に浮かぶこともあるかもしれません。その時は「あ、違うことを考えたな〜」とその事に気づいて、「よし、もう一度呼吸に戻ろう」と優しく自分に声をかけてあげます。
『違うことを考えたから失敗』とか『集中できなかったからダメ』とか判断は入れません。
ただ、優しく意識を戻すだけ。
そしてここから意識の範囲を広げていきます。
【let in/let be/let go】
呼吸への意識は続けたまま、
「自分の感覚」「自分の感情」「自分のマインドの動き」に気づき続けます。
気になる体の感覚、耳に入ってくる音、目を閉じていても光に気づくかもしれません。
雑念、思考、眠気、苛立ち…全てに気づいて、
「今私は、こんなことを感じている」「今私は、こんなことを考えている」と、短い言葉で実況中継を続けます。理由を追ったり、判断もしません。
ただ気づくだけ。全てを静かに受け入れる。こ
れを切れ目なく繰り返します。
そろそろ終わろうかな…と思ったら、深呼吸をひとつ。両手を擦り合わせて掌を温かくしたら、閉じているまぶたの上にそっと乗せます。そしてゆっくりと目を開きましょう。
いざ座って瞑想してみると、
どれだけ普段マインドが飛び回っているか、
自動操縦状態で、意識なく考えているか、
そんなことを感じる方もいらっしゃると思います。
「あ、私は今こう感じているのかも…。」と
少し客観的に見ることで、
感覚と行動の間にスペースができ、感情に振り回されることも減ってくると言われています*
自分の感覚を短い言葉にして、気づいてみる。
日常生活でもぜひ試してみてください。